米国はウクライナへの長距離ミサイルシステム供与を巡り、承認を検討している。米欧の当局者が明らかにした。焦点となっている「陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS)」は射程が約300キロメートルで、ウクライナ軍は前線のはるか後方にあるロシア側の標的を攻撃することができる。だが米当局者の間ではウクライナがATACMSをロシア領土の攻撃に使えば西側とロシアの対立が激化しかねないとの懸念があり、ジョー・バイデン大統領は供与を認めてこなかった。複数の当局者によると、ATACMS供与については最高レベルでの承認待ちとなっている。これまで供与に消極的だったホワイトハウスでは、ウクライナ軍への支援強化を急ぐ必要性を認識している兆しがあるという。