ウクライナ侵攻により
膨大な数の企業が制裁対象に
「取引先だけを調査してビジネスの開始や継続判断を行えばよい」という時代は終わりつつある。
2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻により、アメリカを中心とする西側諸国は膨大な数のロシア企業や個人に対して資産凍結を含む制裁を科した。ドイツのあるNPOの調査によると、今回のウクライナ侵攻以降にロシアに科された制裁数は、2023年6月末時点で2万6000件を超えている(※)。
今までに類を見ない規模で科されるこの制裁は、私たち日本の企業にとっても人ごとではない。特にグローバルでビジネスを行う上で、取引先だけに焦点を当てた従来のリスクマネジメントの手法では対応できない状況が生まれている。
取引先の所有構造の中に、制裁対象者が含まれている可能性が高まり、「制裁逃れ」を図るために意図的に所有構造を変更するケースも散見される。