結果的に会社側の第1号議案が議決され株主提案は否決されたが、一連の質疑では内田議長の素っ気ない対応が目立ち不信感をあおったというのが感想だ。質問者から面と向かって「内田さん、あなた評判悪いよ」と、こんな発言まで飛び出した。

 内田社長は、就任時には緊張感を強くにじませる一方、その後の筆者のインタビューでは笑顔を見せ余裕を感じさせるなど「表情で分かりやすい人」という印象だったが、今回の株主総会では壇上で下まぶたのクマが濃くなり、経営陣の内紛をにじませたかのように見えた。

 日産は、株主総会の翌日、7月1日付のエグゼクティブコミッテイに関する役員人事を発表した。内田社長は「絶え間なく変化する市場環境に対応するため、よりフラットで柔軟な経営体制を実現し、各事業地域および機能軸でのリーダーシップをさらに強化する。新エグセクティブコミッティは、最終年度となる構造改革Nissan NEXTの進捗を加速させ、日産の成長を実現するための次期中計の策定に一丸となって取り組んでいく」と述べた。

 日産の新執行役は、内田誠代表執行役社長兼CEO、スティーブン・マー執行役最高財務責任者(CFO)、坂本秀行執行役副社長、星野朝子執行役副社長、中畔邦雄執行役副社長で、それぞれを補佐する専務執行役クラスがメンバーに就任した。