日産・ルノー・三菱自動車写真は2月に行われたアライアンスの記者会見の様子。左から日産の内田誠社長、ルノーのルカ・デメオCEO、三菱自の加藤隆雄社長 Photo:Bloomberg/gettyimages

日産・三菱自の業績が好調
ルノーは最終赤字に

 国内自動車メーカーの業績回復が鮮明になる中で、仏ルノーとのアライアンス(提携)連合として再建を進める日産自動車と三菱自動車工業(三菱自)の前期(2023年3月期)決算が大幅な増収増益となった。日産の営業利益は前期比52%増の3771億円、三菱自は2.2倍の1904億円と、共に“復活”へののろしを上げたかに見える。

 ルノー・日産・三菱自の「国際3社連合」は、今年2月にルノーが保有する43%の日産株を15%に引き下げ、相互に15%ずつ出資することで合意した。つまり、1990年代末にルノーが日産を救済する形で資本提携して以来続いてきたルノーと日産の「親子資本関係」が、24年を経て対等の立場になるというわけだ。

 この資本関係の見直しによって3社連合の今後の方向が注目されているが、日産・三菱自、共に当面の経営課題である自社の業績立て直しが計画以上に進捗(しんちょく)していることが前期決算で示された。

 特に、日産以上に三菱自の業績回復がスピードアップしており、今後の3社の関係がルノーと日産の資本構成見直しにとどまらず、日産と三菱自の資本見直しにもつながるのかについても注目されよう。