株式投資をする人たちの間で大きな支持を集める話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズを答えるだけで、「投資のコツ」をつかめる手軽さが人気で、「今まで読んだ株の本の中でトップクラス」「すごく理解しやすい」と絶賛の声が続々だ。本稿では、特別に『株トレ』から一部を抜粋して紹介する。
本当に優良なグロース株の3条件
ファンドマネージャー時代、小型成長株を見つけるために、私は成長が期待される分野の企業をなるべくたくさん取材して投資企業を選別していました。
年間100社以上の企業を取材して投資先を選んでいたこともあります。
私は、成長株として投資を実行する前に、3つの条件をチェックしていました。
3つの「高い」が満たされれば、成長株として「合格」と判断します。
(1)市場成長性:高い
(2)市場シェア:高い
(3)参入障壁:高い
今、テクノロジーによって、経済構造ががらりと変わる時代であります。成長株の候補はたくさん見つかります。
ただし、そこから、本当に成長する株を見分けるのが大変です。
2番目までの成長条件を満たす(高成長市場で高シェア)企業は、けっこうたくさん見つかります。
ただ、3番目の条件(参入障壁が高い)まで満たす株は、簡単には見つかりません。
今までなかった新しいネットサービスを始め、需要が急増しているIT企業があると、投資家はそれを成長株としてはやしたてます。
そうなると、株価が大きく上昇します。
ただし、その後が問題です。
よくあるのは、新規参入が増えて、あっと言う間に過当競争になり、利益が出せなくなることです。
そうなってしまうと、株価は暴落します。
参入障壁が低いビジネスで成長できる期間はとても短くなっています。
だから私は、成長株の調査を行う時、3番目の条件(高い参入障壁)が満たされるか、念入りにチェックします。
(本稿は、『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』から抜粋・編集したものです。)