たばこ臭い人の息、実は「歯周病」のせいかも…歯科医が禁煙支援する日が来る?写真はイメージです Photo:PIXTA

「たばこ休憩は給料泥棒?」
喫煙者に対する不寛容さは増すばかり

 先日、ネットで「タバコ休憩は給料泥棒ではないのか?」という記事が大きな注目を集めた(参考『タバコ休憩は給料ドロボーなのか?(桐生由紀 社会保険労務士)』)。

 喫煙者は仕事中に「ちょっと一服」という感じで頻繁に喫煙所へ向かう。それが非喫煙者からするとサボっているように見えて不公平だということはかねてから議論になっており、今回もさまざま意見が交わされている。その中でも、「青汁王子」こと実業家の三崎優太氏のSNSでのこんな発言が多くの共感を得ているという。

「吸うやつに限って吸わない人がちょっと休憩してると『サボりだ』とかいちゃもんつけるし、喫煙所で大事な話を進められると非喫煙者は置いてけぼりにされる。なによりたばこは臭いし体にも悪い。百害あって一利もないから法律で規制すれば?」(参考

 このような話を聞くと、喫煙者の皆さんは「日本社会の不寛容さはここまできたか」と絶望するかもしれない。サボりだ、サボりではないというのは、仕事の「結果」で覆すことができるが、仕事のために頭をリフレッシュするための一服まで「臭い」と言われたらどうしようもない。挙句の果てに、法律で規制せよなんて「暴論」までまかり通ってしまうのか、と。

 くやしいお気持ちはよくわかる。ただ、拙稿『喫煙後45分は「職場出禁」の有名企業も、たばこ臭さが会社に与える大損失』で取り上げたように、法規制という話以前に、大企業が続々と「たばこ休憩」の禁止に動きだしている。

 その理由は、たばこにアレルギー症状がある人や気管支喘息を持つ人への配慮だ。実は喫煙者の吐く息によって、アレルギー症状や気管支喘息の発作が起きてしまうケースがあり、従業員の健康を守る観点から禁止をしているのだ。

 そこに加えて、最も大きいのは、「周囲の非喫煙者」の仕事の効率が落ちるという点だ。たばこを吸っている当事者はまったく気づくことがないだろうが、モクモクの喫煙所から戻ってきた喫煙者はたばこ嫌いの人からすれば臭くてたまらない。打ち合わせで顔を近づけられたりすると、たばこ臭い息に鼻をつまみたくなるという人も多いのだ。

「世の中にはシンプルに口くさい人など山ほどいるだろ、こっちだって歯磨きやマウスウォッシュとかで努力しているんだから放っておけよ」という反論もあろうが、実は喫煙者の“臭い息”はたばこのせいだけとも限らない。深刻な病にむしばまれている兆候かもしれないのだ。

 それは「歯周病」である。