喫煙後45分は「職場出禁」の有名企業も、たばこ臭さが会社に与える大損失写真はイメージです Photo:PIXTA

テレビ番組でも注目、喫煙がもたらす深刻な問題

 ちょっと前、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で放映された、「1時間に1回行われるゲームに勝てばタバコを吸って即帰宅…愛煙家対抗 負け残りタバコ我慢対決」という企画が話題になった。

 たばこを取り上げられてイライラがピークになったお笑い芸人さんらが必死の形相で椅子取りゲームに挑むのだが、終盤になるとみなイライラがピークになってきて、「ふざけんなよ!」「てめえ、殺すぞ!」なんて罵声も飛び交っていた。今のなんでもかんでもコンプライアンスという時代、かなり攻めた企画で、個人的には非常に楽しく視聴させてもらった。

 ただ、一方で、企業危機管理を担当している人間からすれば、ただ笑ってばかりもいられない。実は今、彼らのような「一服がガマンできないヘビースモーカー」のトラブルが続発しており、企業にとっても頭の痛い問題になっているのだ。

 まず多いのは、「喫煙ルール破り」である。最近もJR東日本で走行中の京葉線快速の乗務員室の中で車掌が電子たばこを吸っていたことがわかった。この車掌は過去にも同様のことを複数回していたというから、勤務中でも禁断症状に耐えられなかったというのは容易に想像できよう。

 昨年末には、山形県米沢市の老舗旅館「湯滝の宿 西屋」で、館内完全禁煙というルールを守らずに部屋で喫煙して吸い殻まで残した宿泊客がいたことを女将がSNSで投稿をしたところ、宿泊業やレンタカー業者が反応して、同様の被害を報告して注目を集めた。ほとんどの喫煙者はルールを守っているが、中には禁断症状から「迷惑行為」をしてしまう人もかなりいるのだ。

 そこに加えて今、注目を集めているのが「長すぎるたばこ休憩」だ。先日、宮崎県高原町では、勤務時間中に16回にわたって外出して「一服」していたとして40代の男性職員を懲戒処分にした。毎回15分くらい費やしていたということから、4時間近くサボっていたのだ。

「うちの会社にもヘビースモーカーはかなりいるけれど大丈夫だろうか」と不安になる企業も多いだろうが、「一服がガマンできないヘビースモーカー」がもたらす企業リスクはそれだけではないという。