ブルガリアはロシア製原子炉2基などをウクライナ国営原子力会社エネルゴアトムに売却することで間もなく合意する見通しだ。当局者や関係者によると、ブルガリア国営電力会社NEKの未完成の原子力発電所の機器を少なくとも6億ユーロ(約940億円)で売却する方向で交渉が進められている。実現すれば、ウクライナ侵攻開始後で初めて、同国のエネルギー生産の増強にロシア製の原子力発電機器が使用されることになる。旧ソ連の衛星国のブルガリアがウクライナとの取引を検討していることで、東欧の欧州連合(EU)加盟国の間でロシアの影響力が薄れている様子が浮き彫りになった。関係者によれば、ウクライナが資金繰りに窮しているため、ブルガリアと米国の当局者は米国が支払いを支援する案を協議している。