原発処理水の放出撤回を求める
国会決議案が通過
最大野党「共に民主党(民主党)」は、自らの贈収賄事件や暗号資産不正の問題などで支持が低迷しているのを打開すべく、東京電力福島第一原発処理水の放出(処理水放出)問題を国内政治の焦点にあて、政府攻撃と反日活動を繰り広げてきた。
しかし、民主党の主張は科学的根拠に欠けたものであることが露呈しており、その激しい主張とは裏腹に、中間層の支持を得られず、誰からも相手にされなくなった。
そうした中、国際原子力機関(IAEA)は処理水放出に関する最終報告書で、IAEAの安全性基準を満たすと発表した。民主党はこの報告書を認めていないが、民主党の戦略は破綻をきたしており、その出口戦略を模索する必要があるとの意見が党内にも出ているようである。
民主党は、IAEAの最終報告書公表を前に、6月30日の国会本会議で「福島汚染水反対決議案」を一方的に決議した。この決議は、日本政府に処理水放出を撤回するよう要求し、韓国政府に処理水放出阻止のため国際海洋法裁判所への提訴および暫定措置請求を促す内容などが盛り込まれている。
本件は同日の本会議処理案件ではなかったが、民主党など野党が緊急上程し、表決が強行された。与党「国民の力」はこれに反発して退場、表決には参加しなかった。
民主党は、4月以来、李在明(イ・ジェミョン)代表を中心に、地方組織を総動員して処理水放出反対運動を全国展開、野外集会や署名活動を通じて反対世論を盛り上げてきた。
また、在韓国・ケイ海明中国大使と手を組み、処理水放出反対運動に中国を引き込もうとしたが、逆に中国の戦狼外交(攻撃的な外交スタイル)がメディアの激しいバッシングを受け、中国の言いなりになる李在明代表も批判を受ける結果となった。
民主党の主張は科学的な根拠に基づかず、国民に恐怖を植え付けるデマ政治の様相を呈している。
李在明代表は処理水放出を「放射能テロ」「核廃水」と呼び、与党から「第2の狂牛病宣伝扇動」という批判を浴びた。
7月1日にソウル中区の世宗大路付近で開いた大規模な場外集会で、林鍾聲(イム・ジョンソン)議員は、「大便を食べることがあっても福島の汚染水は飲めない」と、議員として極めて品格に欠ける発言を行った。