中国の電気自動車(EV)市場は他国を尻目に快走を続けている。だが競争は激化し、多くのメーカーは苦戦を強いられている。投資家ならこんな疑問を抱くだろう。勝者は誰だ、と。米テスラに端を発した価格競争は今年、中国の自動車業界をのみ込み、ここ数年に誕生した中小のEV新興企業の多くが資金難に陥っている。一方でトップ集団は市場シェアを拡大した。業界再編の波はすぐそこまで来ているかもしれない。ただ、中国政府が自動車市場への刺激策を小出しにしていることで、再編の歩みは遅いかもしれない。比亜迪(BYD)は独フォルクスワーゲン(VW)を抜き、ブランド別の販売台数で中国トップとなった。同社の新エネルギー車の販売台数は4-6月期に約70万4000台に達し、この約半数がハイブリッド車に外部充電機能を搭載したプラグインハイブリッド車(PHV)だった。これは四半期ベースの過去最高で、前年同期の約2倍に当たる。著名投資家ウォーレン・バフェット氏も出資するBYDは、バッテリーを自社で製造。内製化はコスト削減につながり、品質も管理しやすくなる。同社は主要原料の確保にも積極的に取り組んでいる。