米国の労働市場とインフレは落ち着きつつある。だがどちらも冷え込むには程遠い。米労働省が7日発表した6月の雇用統計によると、非農業部門就業者数(季節調整済み)は前月比20万9000人増となり、5月の30万6000人増から伸びが鈍化した。エコノミスト予想の24万人増にも届かなかった。一方、失業率は5月の3.7%から3.6%に低下し、1月と4月に記録した数十年ぶり低水準の3.4%をわずかに上回るところまで改善した。つまり、依然として十分堅調で、米連邦準備制度理事会(FRB)や市場が年初に予想していた以上に強い、ということだ。10-12月期の失業率について、FRB当局者は昨年12月時点で4.6%(中央値)と予想していたが、今年6月には4.1%に引き下げた。FRBが昨年12月にプライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)を対象に行った同様の調査では4.7%、6日に発表した6月の調査では4%だった。