北大西洋条約機構(NATO)は、ソ連が欧州で戦車やミサイルを使用するのを抑止するために創設された。だが今や中国の世界的な野心も抑止しようとしており、一部の加盟国は任務の際限ない拡大を懸念し、中国政府からは対立をあおっていると非難を受けている。オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本の「アジア太平洋4カ国」の首脳は、NATOの年次首脳会議に2年連続で出席する。今週リトアニアで開催される会議の議題は、中国を念頭に置いた海事やサイバーセキュリティーなどの分野での協力強化だ。NATO首脳によると、世界貿易の要衝である南シナ海で支配権を主張したり、核兵器能力やサイバー戦争能力を拡大したりする中国の動きは、今やアジア諸国だけでなく欧州や北米にとっても同様の懸念となっている。