今年は中国株の不安定な値動きが、アジア他市場にとって朗報になっている。中国はかつて、グローバル投資家にとってアジアで最も投資妙味のある株式市場だった。だが世界第2位の経済大国が低迷するにつれ、投資家の目は他市場に向いた。中国本土の最大手企業を多数含む香港のハンセン指数は年初来の下げ幅が6%を超えた。日本、韓国、台湾の主要株価指数はいずれも2桁の上昇率を示している。ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズでアジア配当収入戦略担当の共同ポートフォリオマネジャーを務めるサット・ドゥーラ氏は「中国離れが相当進んだ」と語る。その恩恵を最も受けたのが日本だ。日経平均株価は年初から23%超値上がりし、約30年ぶり高値で取引されている。1月以降の海外機関投資家の日本株の売買動向は、333億ドル(約4兆7000億円)の買い越しとなっている(ゴールドマン・サックス調べ)。