ビジネスパーソンの悩みの多くは人間関係に由来するものではないだろうか。現在、この問題をはじめ、仕事にまつわる多くの悩みを圧倒的な説得力をもって解決することで人気なのが、プロデューサー・佐久間宣行さん初のビジネス書『佐久間宣行のずるい仕事術』だ。2023ビジネス書グランプリを受賞したこの本は、SNSで「働くすべての人に読んでほしい」「人生の教科書にします」と絶賛コメントが多数寄せられている。ここでは本書から佐久間氏が提唱する仕事術の一部をお届けする。
都合のいい上司になっていないか
仕事を引き取ってくれる上司は、ラクだ。
70点くらいの出来で提出したら、「後はやっておくよ」と言ってくれると、部下としては安心だし、「手離れ」のいい仕事になる。
正直「ラッキー」と思うかもしれない。僕はそう思っていた。
部下を伸ばせない上司は失格
でも、そういう上司の下では、僕は伸びなかった。
無意識のうちに、手を抜いてしまっていたからだ。
最後に5点、10点上げることに、粘らなくなってしまう。
だって上司が、涼しい顔で30点上げてくれるのだから。
「個」としての成長を優先させる
頭を使い、手を動かし、完成させる。
自分のアウトプットの最終責任を自分が引き取る。
その覚悟を持たないと、経験は血肉にならないし、「個」としてのスキルも身につかない。
部下の仕事は「引き取ってはいけない」
だから上司は、部下のことを思うならかんたんに仕事を引き取ってはいけない。
受けとったら面倒くさくても、フィードバックして修正させる。
そしてもう一度提出させて、チェックする。
それでも及第点ではなかったら、もう一度フィードバックして修正させよう。
手間を惜しむな
フィードバックには、ダメな理由と「どうすればもっといいアウトプットになるか」のアドバイスを添えること。
ただ「ダメ」と突き返されても、努力の方向がわからないから、正解の方向性だけは見せて、そこからのディテールは本人に任せるのがいい。
ついていきたい上司の条件
ただこれは、かなり面倒だし手間のかかる作業になる。
でも、これを何度も繰り返す中で、部下の成長に気づくことができるだろう。
それは上司としてうれしいことだし、いつか部下からも「面倒くさかったけど、あのやり方で育てられてよかったな」と思ってもらえる(はずだ)。
一度任された仕事は最後までやりきるクセをつけてあげないと、たたき台製造機を育てることになってしまう。
自分も試されていることを意識する
ちなみにこれは「信頼関係のあるスパルタ」。
上司の能力が常に試されていることも忘れてはいけない。
(『佐久間宣行のずるい仕事術』より)
※本書には、この他にも、たくさんの仕事術が収録されています)