【総フォロワー数25万人!】長年の教師生活で多くの親と接したなかから生まれた、熱い思いの詰まった言葉を365個掲載した書籍『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』が、あらゆる年代の親に刺さると話題。親力アドバイザーとして名高い教育評論家の親野智可等氏がいま子育て中の人に伝えたいことがあります。
宿題の全容を把握しよう
夏休みの宿題で苦労する子の特徴は、宿題の全容がわかっていないということです。
漠然と「宿題がたくさんある」と感じているだけなので、なかなか手が出ないのです。
そこで、親の出番です。
まず大事なのはどんな宿題がどれだけあるのか子どもが理解することです。
そして、それをもとに宿題のスケジュール(工程表)を一緒に作ります。
ステップ1 1カ所に集めて「宿題の全容を見える化」
宿題に関係するものを1カ所に集めて並べてみます。
例えば、夏休みの友、絵日記、算数のプリント、漢字ドリルと書き取り帳などです。
自由研究などまだ形がないものは、A4くらいの紙に「自由研究」と書いて一応形にしておきます。
これらを1カ所に並べてみることで宿題の全容がわかります。
ステップ2 「数値化」してホワイトボードなどに書き出す
「夏休みの友48ページ。絵日記2枚。算数プリント2枚。書き取り20ぺージ。読書感想文3枚。自由研究ケント紙1枚」というように、数字を入れてホワイトボードなどに書き出します。
これで、さらに全容がはっきりします。
ステップ3 スケジュールを作って「作業工程を見える化」
カレンダーや学校から渡された生活表などに、宿題のスケジュールを書き込みます。
例えば下記のように決めて、夏休みの友をやる期間は青色で囲むとか、読書感想文の期間は緑色で囲むなど、色分けしていきます。
夏休みの友は7月21日から8月5日まで。1日3ページ。
読書感想文は8月1日に始めて8月4日に終わる。
自由研究は8月16日から8月20日まで。
ステップ4 振り替えって「実行過程を見える化」
スケジュールが実行できているかを「見える化」することも大切です。
例えば、予定通りに進んだ日には花丸、まあまあなら1つ丸、イマイチなら三角、できなかったらバツをつけます。
事情によりできなかった日は斜め線をつけます。
これらの4つのステップを成功させるうえで大事なのは、親が毎日「見届け」をすることです。
見届けとは、やるべき事がやれたか見てあげて、やれていたらほめ、やれていなかったらやらせてほめることです。
大変だと思いますが、これが近道です。
親の見届けが続けば子どもも続けることができますが、見届けをしないとやらなくなってしまいます。
ステップ5 必要に応じてスケジュールの見直しをする
スケジュールを作ってもうまくいかないことはよくあることです。
こういうときは、感情的に叱ったりしないで冷静に対応することが大切です。
親子でもう一度作戦会議をして、実行可能なスケジュールに作り変えましょう。
毎日の見届けをしていれば、傷が軽いうちにスケジュールの見直しができます。
見届けをしていないと傷が大きくなり、せっかくのスケジュールが叱る種になってしまいます。
親が見届けを忘れていながら、何日かたって急に思い出して「やってないじゃない!」と叱るパターンは避けたいので、毎日時間やタイミングを決めるなどして忘れないようにしてください。
◆本原稿は、『子育て365日 親の不安がスーッと消える言葉集』の著者・親野智可等が子どもに関わるすべての人に伝えたい書きおろしメッセージです。(次回へ続く)