サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで! それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に! 日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。

サウナ上級者がやっている「水シャワー」メソッドとは?photo:Adobe Stock

サウナ室の序盤で「気持ちいい」と感じるとととのいが増す

 サウナ室で自らを限界まで追い込むことが、ととのいを最大化すると思っているかもしれませんが、そうではありません。一番大切なのは、できるだけしんどい思いをせずに、体をしっかり温めることです。

 サウナ室に入ったときの自律神経の変化を見てみましょう。冬場を想定した場合、入った瞬間は温かくて気持ちがいいので、副交感神経が優位になります。しかし、しばらく入っていると、「熱い!」となって交感神経が優位になります。

 実はこの、「最初の少しの間、副交感神経が上がる」ことは非常に大切なポイントです。なぜなら、事前にリラックスしておくことで、後ほど交感神経優位になったときに、エンドルフィンが出るからです。

 エンドルフィンは鎮痛効果や幸福感を得られる、脳内麻薬とも呼ばれるもの。これが出ることで、サウナを最後まで気持ちよく楽しめるのです。

エンドルフィンが出るための「前処理」とは?

 そこで、サウナ室に入ったとき「気持ちがいい」と感じられるようにするのが大事なのですが、そのためには季節に応じたコツがあります。たとえば、夏だともともと暑いので、サウナ室に入った時に、「うわっ、あつっ!しんどっ!」となり、最初に副交感神経が優位になりません。するとエンドルフィンが出にくくなります。

 これを防ぐために、夏場に私が実践している「前処理」が、「水シャワー」メソッド。

 サウナに入る前に水シャワーを浴びておくことで、サウナ室に入った瞬間の「熱い!」をやわらげ、気持ちよさを高めるのです。

 逆に冬場には、気持ちよさを高めてスタートするために、サウナ前にお風呂での全身浴を2分しておくことをおすすめします。

*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。