長引いたコロナ禍で、体を動かす機会がメッキリ減ってしまった人は多いはず。気がつけば、肩はゴリゴリ、背中はバキバキ、股関節はコチコチに……。そこで参考にしたいのが、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)、『金スマ』(TBS系)、『体が硬い人のための柔軟講座』(NHK)などで話題のフィジカルトレーナー・中野ジェームズ修一氏の著書『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』(ダイヤモンド社)だ。
本書は、ちょっとした「スキマ時間」で、いつでも、どこでもできる“気持ちい~いストレッチ法”を、マンガでわかりやすく指南。「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも体がやわらかくなる秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、運動指導のトッププロが教える医学的にも正しいストレッチで、「体が硬い」を解消して、柔軟性をとり戻す方法を紹介する。
監修:田畑クリニック院長 田畑尚吾 医師 イラスト:百田ちな子
無理に過剰な柔軟性を
手に入れるとどうなるのか?
『スキマ★ストレッチ』93ページで過剰な柔軟性を手に入れることの是非についてお話ししました。
では、柔軟性が高すぎると、具体的にはどのような問題が生じるのでしょうか?
関節が不安定になる?
人体の骨と骨のジョイント部分を「関節」といいます。関節を安定させるために骨同士をつないでいるのが「靱帯」です。
ただし、靱帯だけでは関節が安定しないので、さらに「筋肉」が粘土のように、周りを固定する役割を担っています。
柔軟性が過剰になると靱帯に負荷がかかり、関節が不安定になって、力が入りにくくなります。典型的なのが「股関節(こかんせつ)」です。
歩行困難になる恐れも
股関節の柔軟性を上げすぎると、靱帯がゆるみ、骨のジョイントが不安定になります。
若くて筋肉量が十分なうちはまだいいのですが、年齢を重ねて筋肉量が落ちてくると、ますます関節が不安定になります。
場合によっては、股関節に痛みを感じたり歩行困難に陥ったりする恐れもあるのです。
関節が動く範囲は
ほぼ決まっている
そもそも人間の関節は、可動範囲(関節可動域)がほぼ決まっています。
その本来の可動範囲まで動くために行うのが正しいストレッチであり、それ以上の過剰なストレッチは、むしろ関節の機能を害することを知っておきましょう。
※本稿は、『いつでも、どこでも、1回20秒で硬い体が超ラクになる! スキマ★ストレッチ』より一部を抜粋・編集