今春、米ニューヨーク郊外のハイドパークに酒蔵を建てて製造を始めた、「獺祭」で知られる旭酒造。山田錦でつくった純米大吟醸「DASSAI BLUE」を米国で打ち出すにあたり、アーカンソー州の山田錦で仕込むことも視野に入っています。その出来栄えについて、桜井会長のお話をもとに、メルマガで綴られた内容も織り交ぜてお送りいたします。
今春から米ニューヨーク郊外のハイドパークでスタートした海外生産。今はまだ日本から持ち込んだ山田錦でお酒を仕込んでいますが、今後はアーカンソー州産の山田錦を仕入れる予定です。率直に言って、かなり良い酒米ができています。
アーカンソー州の州都はリトルロック。クリントン前大統領がアーカンソー州知事を足掛かりに大統領選に出たのは、ご記憶の方も多いと思います。そのアーカンソーに7月の初めに二泊三日で出張しました。
稲の生育も順調でした。昨年と同じくドリル方式の直播きかと思ったら、今回は飛行機で種もみを播いたそうです。農場主のクリスさんが奥さんのジュディさんの名前まで付けて一番大事にしている田んぼですから、成算があってやっているのでしょう。
確かにきれいに間隔もとれて、際まできっちり植え付けられていました。彼らにとっても将来は農場の全売上の3~4割は占めるだろう山田錦の栽培ですから、力を入れているはず。実際、昨年もらったサンプルは優れていました。
この数年間、有機栽培といっても過言ではないほど有機肥料の使用に特化し、それも最小限の使用量に絞って、栽培してきた効果が表れたのです。この栽培経験をもとにやるなら、少なくても昨年と同程度の出来は期待できそうです。
米国で私どもが生産する「DASSAI BLUE」は今夏から出荷予定です。
銘柄につけた「ブルー」は、「藍は藍より出でて藍より青し」の心意気からきていて、本家超えを目指しています。
精米歩合は23%、35%、50%、アルコール度数は日本より2度下げて14度にします。四号瓶以下のサイズでお出しして、価格は輸出品とほぼ同等になる予定です。是非ご期待ください。