日本の出生率と女性人口の「西高東低」、少子化対策の鍵握る“女性に選ばれない”地域東北地方では男性より女性の人口流出が多いのに対し、九州地方では逆になっている。これが出生率や女性人口割合の西高東低の原因だが、なぜそうなっているのだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

女性に選ばれない地域は衰退する?
地方でも出生率や人口に差

 日本の出生率の下落が止まらない。2022年の出生率は過去最低の2005年と同じ1.26だった。

 政府は今後3年間を少子化対策の集中取り組み期間にして、「異次元の少子化対策」を実施するという。

 ただし出生率が下がっているといっても、全国で同じように低いわけではない。東京などの都市部の出生率が低いだけでなく、最近は西日本に比べて東日本の落ち込みが目立っている。

「西高東低」が進んでいるのは出生率だけでない。東日本では以前から若年の女性人口が男性人口に比べて不足する傾向があったが、近年それがいっそう深刻になっている。

 20~30代の男性人口と女性人口を比較した場合、東日本では女性の男性に対する比率が9割前後の県が大半なのに対して、九州の多くの県では100%を超えている。

 つまり、女性人口の男性人口に対する比率も西高東低だ。

 日本では婚外出産が少ないので、女性の既婚率が高い地域では出生率が高くなりやすい。女性に比べて男性が多い東北地方や北関東では女性の選択肢が多い分だけ婚姻率が高まってもおかしくなさそうだが、現実には女性の既婚率は高くなく、代わりに男性の未婚率が高くなっている。

 なぜだろうか。