杉原規之・アセットマネジメントOne社長Photo by Yoshihisa Wada

2023年4月、みずほフィナンシャルグループ傘下の資産運用会社、アセットマネジメントOneの社長に杉原規之氏が就任した。政府は骨太方針で「資産運用立国」を掲げている他、24年1月からは新NISA(少額投資非課税制度)が始まる。その担い手として期待が高まっている資産運用会社を、どうかじ取りしていくのか。杉原新社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟、片田江康男)

日銀YCC柔軟化
資産運用会社への影響は?

――日本銀行は7月の金融政策決定会合でイールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)の運用を柔軟化すると発表しました。どのように受け止めていますか。

 日銀が将来、何らかの形でYCCを解除、あるいは撤廃していくことは、市場の誰もが予想していたことでした。それは海外でも同様で、3週間前に海外出張した際に市場関係者と日銀のYCC修正について意見交換しましたが、多くが早晩、YCCは見直されるだろうという見方をしていました。

 そのため今回のYCCの運用の柔軟化は市場は織り込み済みで、修正があっても大きな影響が出ることはないだろうとみていました。今のところ為替など、想定内の動きをしていると思います。

――資産運用会社にとっては、どのような影響を受けるのでしょうか。

 ここまで、金融政策において日本だけ世界とは違う状況でした。欧米は金利を上げてきて、これからはおそらく下がっていく局面になるでしょう。

 一方で、日本はこれから金利を上げていく段階。市場を正常な姿に戻していこうとしています。資産運用会社である当社としては、そうした市場正常化の過程にあることを踏まえて、しっかりと運用を行っていくことが重要だと思います。今、運用方針や運用哲学などを変えるということはありません。