コロナ対策を行った場合

 それでは、コロナ対策を行うことで、たとえば1週間の感染者数の増加を25%減の0.9倍にした場合はどうなるのでしょうか。

・1週間後:10万×0.9=9万人
・2週間後:9万×0.9=8.1万人
・3週間後:8.1万×0.9=約7.3万人
・4週間後:約7.3万×0.9=約6.6万人
・5週間後:約6.6万×0.9=約5.9万人
・6週間後:約5.9万×0.9=約5.3万人
・7週間後:約5.3万×0.9=約4.8万人
・8週間後:約4.8万×0.9=約4.3万人
・9週間後:約4.3万×0.9=約3.9万人
・10週間後:約3.9万×0.9=約3.5万人

 最初10万人だった感染者数が、わずか10週間で3分の1の約3.5万人まで減りました。そしてこの状態が続くと、20週間後の感染者数は約1万人まで減少します。

図

 このように、コロナ対策を行うか行わないかでは、感染者数の増減に天と地ほどの差があります。(経済をどうするかはまた別の話ですが)

 なお、このような感染症の拡大の話は、高校2年生で習う「指数関数」という単元と深く関連しています。これを機に指数関数もぜひ知っておきましょう。

 本書では,感染症の例を含め,様々な実用例を紹介しています。

【訂正】記事初出時より以下のように修正しました。冒頭のリード文において「書籍抜粋」と記載をしておりましたが、正しくは、書籍の内容をもとにした、著者によるオリジナルコンテンツです。読者の皆様にお詫びいたします。(23年8月14日11:00 書籍オンライン編集部)