子どもから大人まで数学を苦手とする人は非常に多いのではないでしょうか。ましてや高校数学ともなるとほとんどの人が挫折してしまった経験を持っているでしょう。しかし、高校数学の基礎は丁寧に学べば特別難しいものではなく、同時に得た知識は私たちの生活にも大きく役立ちます。そんな高校数学の超入門書として書かれたのが『【フルカラー図解】高校数学の基礎が150分でわかる本』です。本記事でははじめての人から大人の学び直しまで1人で高校数学が学べる本として発刊された本書をもとに米田氏のオリジナルコンテンツをお送りします。

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コロナ対策を数学的に分析!

 2020年から3年間にわたって、日本国内ではマスク着用や緊急事態宣言をはじめとする様々なコロナ対策が行われてきました。しかし、このような政策に効果がなかったと考えている人も少なくありません。

 それでは、コロナ対策には本当に意味があったのでしょうか?

 もちろん、コロナ対策で感染者数を一気にゼロまで減らすのは現実的ではありません。しかし数学を使うと、コロナ対策で感染力をたったの25%減らすだけで、最終的には何百倍も違いが出ることがわかるのです。

コロナ対策を行わない場合

 例として、いま日本で週に10万人がコロナに感染しているとします。また、コロナ対策を行わない場合、感染者数が1週間で1.2倍に増加するとします。

 このとき、1週間後の感染者数は10万×1.2=12万人、2週間後の感染者数は12万×1.2=14.4万人となります。

 ここまで見ただけでは、「たったの4万人増えただけか」「思ったより増えていない」と思うかもしれません。しかし、3週間後以降を見てください。

・3週間後:14.4万×1.2=約17.3万人
・4週間後:17.3万×1.2=約20.7万人
・5週間後:20.7万×1.2=約24.9万人
・6週間後:24.9万×1.2=約29.9万人
・7週間後:29.9万×1.2=約35.8万人
・8週間後:35.8万×1.2=約43.0万人
・9週間後:43.0万×1.2=約51.6万人
・10週間後:51.6万×1.2=約61.9万人

 最初10万人だった感染者数が、わずか10週間で61.9万人まで増えてしまいました。そしてこの状態が続くと、20週間後の感染者数は約383万人まで増えてしまいます。(興味のある方はぜひ計算してみてください)

※厳密には、人口の限界があるのでいずれは増加が止まりますが、医療がヤバイ状況であることには変わりありません。