心血管疾患や死亡のリスクの低さと
関連のある6種類の食品
世界80カ国の人々の食事関連データを解析した研究から、野菜、果物、魚などの摂取量が多いほど、全死亡(あらゆる原因による死亡)や心筋梗塞・脳卒中などの心血管疾患(CVD)発症のリスクが低いことが明らかになった。マクマスター大学(カナダ)のSalim Yusuf氏らの研究によるもので、詳細は「European Heart Journal」に7月6日掲載された。
この研究ではまず、21カ国の35~70歳の一般住民16万6,762人が参加し現在も進行中の大規模疫学研究「PURE研究」のデータを用いて、新たな食事スコアを開発。そのスコアを、5件の疫学研究(80カ国、24万4,597人)に適用し、全死亡およびCVDリスクとの関連が検討された。なお、論文の上席著者であるYusuf氏によると、「これまでにも地中海食スコアなどを用いた同様の検討が行われているが、それらのスコアは主に欧米の高所得国のデータを基に作られたものである」という。それに対してPURE研究は、「低・中・高所得国が含まれていることが特徴だ」としている。
新たに開発された食事スコアは、野菜、果物、ナッツ、豆類、魚、乳製品という6種類の食品について、対象全体の摂取量の中央値以下の場合は「0」、中央値より多い場合は「1」として、合計6点のスコアで評価するというもの。PURE研究の参加者の平均は2.95±1.50点であり、国民1人当たり所得と正相関していた(傾向性P<0.0001)。