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生成AIは、いまや多くの方が日常的に使うツールになりました。文章の作成、情報の整理、アイデア出し――その用途は人それぞれです。では、私が執事としてお仕えしてきた富裕層の方々は、AIにいったい何を尋ねているのでしょうか。
実は、その「問いの立て方」にこそ、富裕層であり続ける人、さらに超富裕層へと登っていく人と、そうでない人とを分ける違いが表れています。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)
成功するほど
周囲は「肯定」で満たされていく
社会的地位が上がり、収入や資産が増えていくと、ある変化が静かに起こります。それは、自分の周囲にいる人たちが、少しずつ「自分を肯定する人」だけになっていくという変化です。
新しい提案を口にすれば、「さすがです」という言葉が返ってきます。判断を示せば「おっしゃる通りです」と同意が集まります。多少強引な意見であっても、その場で正面から反論する人は、ほとんどいなくなります。
私がお仕えしてきた方々の中でも、若くして大きな成功を収めた方ほど、この環境の心地よさにとらわれやすい傾向がありました。誰もが自分を称え、望むものはすぐに整う。そうした日々が続くと、「自分の判断は、おそらく正しいのだろう」という感覚が、本人の自覚のないままに強まっていきます。
マズローの欲求5段階説では、人の動機は生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求へと高次化していくと整理されます。地位と資産を手にした方は、このうち承認欲求が、特別な努力をしなくても満たされ続ける環境に置かれます。
一見すると、これは恵まれた状態に思えます。しかし、執事として多くの富裕層を間近で見てきた私は、ここにこそ大きな落とし穴があると感じています。







