何かがおかしい…ソフトバンク子会社CFO「4億6000万円の巨額不正送金」はなぜバレなかったのか?写真はイメージです Photo:PIXTA

2026年1月、東証グロース市場に上場するソフトバンクの子会社、イーエムネットジャパンで不正行為が発覚した。元常務取締役CFOによる会社資金の不正送金額は、なんと4億6000万円に上った。CFOの立場にある人物が、不正に手を染めてしまった理由とは何だったのか。なぜ莫大な被害額になるまで、事実が発覚しなかったのか――。構造的問題に迫る。(公認会計士 白井敬祐)

公認会計士の上場企業CFO
なぜ巨額不正に手を染めたのか

 総額4億6000万円――。

 2026年1月、通信大手ソフトバンクの連結子会社で、東証グロース市場に上場するインターネット広告会社、イーエムネットジャパンで不正な送金が行われていたことが発覚しました。不正に送金された額は4億6000万円に上り、そのニュースは投資家や業界関係者に大きな衝撃を与えました。

 不正に手を染めていたのは、当時、常務取締役CFOを務めていた人物。報告書本文では「元CFO」と表記されている、公認会計士の資格を持つ幹部でした。

 3月27日に公表された第三者委員会による調査報告書からは、会計監査の専門家であるはずの公認会計士CFOが、その監査を欺く側に回っていた……そんな皮肉な構図が見えてきます。

きっかけは「1通のメール」
明らかになった不正の手口とは?

 2023年から2年超にわたって行われてきた不正が発覚したきっかけは、システムでも監査でもありませんでした。

 財務担当マネジャーが、4億6000万円の借入金返済期限を過ぎても入金確認が取れない旨を元CFO本人にメールで問い合わせる際、社長をBCCに加えた――。そのたった1通のメールで、社長は不正の事実を知ることになったのです。