韓国の首都ソウルは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の広大なミサイル保管庫からぞっとするほどの近距離にあると言える。だが市内のどこに行っても、この戦略的に重要な国にとって長年の真の敵は誰なのかについて気付かされる。市の中心部にある光化門広場の交差点では、高さが約15メートルある16世紀の李舜臣将軍の像が、大きな台座から自撮り写真を撮るソウルっ子や好奇心の強い観光客を挑戦的に見下ろしている。李将軍は1597~1598年に侵攻した日本の海軍を追い出して朝鮮軍を同国史上最大の軍事的勝利に導き、国民的物語の中で崇拝される人物となった。同広場を隔てた向かいには、愛情を込めて再建された景福宮の正門が建っている。景福宮は500年続いた朝鮮王朝の統治者の住居だった。1907年から1945年まで続いた日本による暴力的な占領の本拠・朝鮮総督府庁舎があったこの場所に復元されてから、20年たっていない。
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