韓国で長く読まれている勉強の本がある。日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、モチベーションが高まり、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。

勉強の成績がなかなか上がらないときにやってはいけないことPhoto: Adobe Stock

成績は勉強量に正比例して上がらない

 受験勉強の期間は1日や2日ではない。いくら固い決意を持って勉強を始めても、嫌になることもあり、面倒くさくなるのは確かだ。私も例外ではなかった。

 なかなか解けない問題にぶち当たり、嫌気が差して参考書を放り投げたくなることもあったし、自分なりに頑張ったと思っても、実際にテストを受けたら満足できる成績が取れなかったときも、勉強を続けるのが嫌になった。

 また、天気がいい日は勉強したくないし、週末や祝日にみんなが山登りやハイキングに行くのを見れば、自分もあんなふうに何も考えずに遊びたいと思うこともあった。

 受験勉強をしていれば、時と場合を問わずそんな思いが心に忍び寄る。何の予告もなく、たまに突然、そんな誘惑に駆られるのだ。その誘惑は、抑え切れないほど強烈なこともあり、何とか耐えられることもある。だが、どんな場合であれ、しばしば勉強を放り出したいという誘惑に駆られていると、集中して机に向かっているのも大変になる。

 受験勉強が危機に陥るのは、こんなときだ。最も代表的なケースは、しばらく歯を食いしばって勉強を続けても、満足できる成績が取れなかった場合である。私も何度か経験した。特に受験勉強を始めたばかりで、毎月10点ずつ順調に上がっていった模擬テストの点数が、夏になってピタリと横ばいになり3ヵ月ほど足踏みを続けたときは、「もうこれが自分の限界なのか」と思ったものだ。必死で勉強しても成績が上がらず、時間ばかりがどんどん過ぎるときほど、受験生にとって焦ることはないだろう。

 だが、私はそんな経験を積みながら、成績とは必ずしも勉強量に正比例して上がるものではないということを知った。自分の経験から勉強量と成績の相関関係を図に表すと、次のようになる。

勉強の成績がなかなか上がらないときにやってはいけないこと

スランプは跳躍に必要な時間

 成績というのは、勉強量の増加につれて右肩上がりで上昇する直線または曲線で表されるものだと思われがちだが、それは絶対に違う。上の図で見るように、どんなに勉強しても、その蓄積が一定レベルに達するまでは表面上何の成果も見えない時期がある。ところが、勉強量があるレベルに至った瞬間、それまでの蓄積が一気に爆発し、目に見える成果となって現れるものだ。また、成績が上がるほどスランプは長くなり、スランプが長ければ長いほど跳躍のレベルは上がる

 だから、たゆまず努力したのに成績が上がらないからといって、がっかりして勉強を怠けてはならない。いつか努力の結果がハッキリ目に見える日が来ることを信じ、そんな危機の時期であるほど、いっそう勉強に励むこと。それだけが、スランプを早く終わらせる近道だ。

(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)