米債券市場は、脚本家ダグラス・アダムス氏が執筆したSFシリーズ「銀河ヒッチハイク・ガイド」の登場人物、トリリアンが語るせりふのようだ。「私たちは正常だ。繰り返し言うが、正常な状態にある。だからまだ対処できないことは全て、あなた自身の問題だ」同市場の実質的な資金調達コスト(インフレ調整後)に最も近い推計値、すなわち10年物TIPS(米物価連動国債)の利回りは15日に1.89%に達した。これは2009年以来の高水準で、かつて経済が正常だったとされる範囲内に戻ったことになる。米国は低金利時代に別れを告げた。これは対処可能なのか。危険なのは、2008~09年の金融危機後、10年余りにわたりゼロ付近の――大抵はインフレ率を下回る――金利が続く間に、米経済はチープマネー(低利資金)に依存するようになったことだ。ベンチャーキャピタリストは、赤字を出し続ける新興テクノロジー企業の勢力争いに資金を供給し、企業やファンドは借金を膨れ上がらせ、米政府は景気回復局面でも積極的に債務を拡大した。
米債券市場の正常化、投資家は要注意
低利資金に頼っていた米経済の「禁断症状」は始まったばかり
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