米国が壊れることはない。多くの国家は崩壊しない。絶えず混乱しているギリシャはまだ存続している。しかし、米国は確かに、まるで長い転落の道に向かっているかのように見える。第45代米大統領のドナルド・J・トランプ氏は、2016年の大統領選で勝利した際には6300万票近く、2020年に敗北した時には7400万票余りを獲得したが、4回にわたって起訴されている。連邦大陪審による起訴が2回、ニューヨーク州のマンハッタン地区とジョージア州フルトン郡での起訴が1回ずつだ。フルトン郡のファニ・ウィリス地区検事は、ジョージア州の威力脅迫及び腐敗組織(RICO)法を適用して立件した。同法は1970年に制定された連邦の威力脅迫及び腐敗組織法に倣って作られたものだ。この連邦法は、犯罪組織のボスを捕まえることを目的としているが、その後は常に拡大解釈されてさまざまな起訴案件に適用されてきた。報道機関が「RICO」という言葉を唱えるのが大好きだからというのがその一因だ。
【オピニオン】トランプ起訴の大きな代償
米政界で何年も続く敵意、民主党にしっぺ返しも
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