ルーブル安に歯止めをかけるため、ロシア中央銀行が今週実施した大幅な利上げは、同国の新たな現実に目を向けさせた。ロシア経済はすでに制限速度に達しているということだ。  ロシア政府は、ウクライナに駐留する自国軍に十分な物資を供給し、国内企業や市民を戦争から遮断しておくため、自国経済に大量のマネーを注入してきた。この大盤振る舞いのおかげで、需要は拡大し続け、経済制裁が引き金となった昨年の景気後退から立ち直るのに役立った。一方で供給は拡大していない。ロシアの孤立と幅広い労働力不足によって供給が制約される度合いが増している。  今週に入り、ルーブル相場は開戦当初以来の安値に下落。