ソフトバンクグループ(SBG)は先ごろ、傘下の「ビジョン・ファンド1(VF1)」から英半導体設計大手アームの株式25%を取得した。この取引でアームの企業価値は640億ドル(約9兆3000億円)余りと見積もられた。事情に詳しい関係者が明らかにした。今年最大級と目されるアームの新規株式公開(IPO)を9月に控え、今回の株式取得はSBGが待望のIPOでどれだけの評価額を目指し得るかを示唆するものだ。VF1から株式を取得したことで、SBGにはIPOで同水準またはそれ以上の評価額を達成するよう圧力がかかりそうだ。SBGは2016年、アームを約320億ドルで買収。アームの半導体設計は、大半のスマートフォンやモバイル機器に採用されている。SBGはその後、革新的なテクノロジーへの投資を目的に設立したVF1にアーム株25%を80億ドルで売却していた。