米国で一部医薬品に減量用としての人気が高まり、欧州の小国で経済のバランスに変化が生じている。糖尿病治療薬「オゼンピック」と肥満症治療薬「ウゴービ」を製造するデンマークの製薬大手ノボノルディスクは、売上高が大きく伸び、時価総額が急上昇している。エコノミストらによると、これが同国の金利を押し下げる要因になっている。デンマーク最大の企業であるノボノルディスクの時価総額は、今年に入ってから30%以上増加して約4190億ドル(60兆8000億円)に達し、同国国内総生産(GDP)の約4060億ドルを上回った。時価総額は同社の全株式の価値、GDPは1年間に生産される財・サービスの付加価値の合計であり、単純比較はできない。だが、ノボノルディスクが玩具メーカーのレゴやビール大手カールスバーグといった他の国内企業を抜き、いかにデンマーク経済を動かす存在として台頭したかを示している。
米での「減量薬」人気、デンマークの経済に波及
メーカーの時価総額が急上昇、金利低下の原因にも
有料会員限定
あなたにおすすめ