通常、中小企業で構成されるファンドには誰もが知るような企業は入っていないものだが、それも変わりつつある。アメリカン航空、米ビール大手モルソン・クアーズ・ビバレッジ、米カジノ運営のシーザーズ・エンターテインメントやウィン・リゾーツ、米家電大手ワールプール、米地銀大手ザイオンズ・バンコープ。これが全て、バンガードの代表的な小型株インデックスファンドに組み入れられている。これらはいずれも、大企業株の指標であるS&P500種指数の構成銘柄で、かつバンガードの460億ドル(約6兆6900億円)規模のCRSP米小型株インデックスファンドにも採用されている65銘柄の一部だ。このようなことが起きているのは、株式市場の大型株があまりにも大きいためだ。テック大手の巨大化が進んだため、企業の規模を時価総額の割合で測るとひずみが生じる。バンガードのファンドもこの手法を採用している。より少数の大手で大型株インデックスの枠が埋まり、それ以外の企業は中小企業に分類される。
小型株ファンドの怪、テック株巨大化の陰で
大型株があまりにも大きくなったため、小型株の基準にゆがみが生じている
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