今年の夏の高校野球は、久しぶりにコロナウイルス感染症の影響をほとんど受けていない大会となった。各地で繰り広げられた地方大会では、智弁和歌山高が初戦で敗れた他、横浜高、大阪桐蔭高、中京大中京高、龍谷大平安高、明徳義塾高などの名門校も敗退した。
とはいえ、最終的に甲子園に出場した顔ぶれを見ると、やはりおなじみの学校が多かったと感じたのではないだろうか。実際、県ナンバーワンの学校が敗れても、ナンバー2の学校が出場すれば、おなじみの学校であることには変わりがない。そのため、ほとんどの都道府県で数校の常連校だけが甲子園出場を巡って争っているようにも見える。
昨年夏は4校が初出場したものの、いずれも選抜大会には出場したことがあり、春夏通じて初という学校が1校もなかった。いよいよ甲子園出場校は完全に固定化さたかと思ったが、今年は一転して共栄学園高、東京学館新潟高、浜松開誠館高、高知中央高、鳥栖工、宮崎学園高と6校が春夏通じて初めて甲子園に駒を進めた。
そこで、都道府県別に甲子園に出場したことのある学校の割合を調べてみた。
少子化による学校統合や部員不足で
出場校数が減少
これまでに春夏1度でも甲子園に出場したことのある学校は、1060校ほどになる(数え方によって多少変わる)。ただし、この中には戦前に参加していた満州・朝鮮・台湾の学校や、青森師範や秋田師範といった旧制の師範学校(現在は大学に昇格)のように制度上今では地方大会には参加できない学校も含まれている。また、廃校となった駒大岩見沢高(北海道)や飯塚商(福岡県)、学校は存続しているものの野球部が廃部となったPL学園高(大阪府)もある。
さらに少子化で高校の統合が進んでおり、甲子園出場校同士の統合も各地で起きている。東海大一高と東海大工の統合でできた東海大静岡翔洋高(静岡県)、鳴門工と鳴門第一高が統合した鳴門渦潮高(徳島県)などは有名だが、大分県では甲子園出場経験のある、別府商、別府羽室台高、別府青山高の3校が統合して別府翔青高になるなど、現存する甲子園出場校自体もかなり減少してきている。