欧米の鉱山会社は、中国抜きで電気自動車(EV)用電池のサプライチェーン(供給網)を構築しなければならないというプレッシャーに直面している。そのため、長い間避けてきたアフリカでの金属加工を余儀なくされている。中国は、エネルギーシフトの鍵となるコバルトやリチウムといった重要鉱物の生産と加工の両方を支配している。そのため、米国など西側諸国の間では、中国に依存にすることへの懸念が高まっている。一部の欧米企業や投資家は現在、アフリカ大陸で採掘した原料を現地で精製し、欧州と米国に直接輸出できるよう、アフリカに加工施設を建設し始めている。このような投資は、欧米の経営者がアフリカの多くの国々に伴うリスクをいかに受け入れるようになったかを示している。インフラが脆弱(ぜいじゃく)であったり、熟練労働者が限られていたり、中には政府の汚職で悪評が立つ国もある。また、アフリカで加工施設を建設すれば、自国の土壌から採掘した金属や鉱物の現地加工を増やすことを長年求めてきたアフリカ各国政府の要求に応えることにもなる。