シーラ・スミスさんは今年、米アリゾナ州セドナで投資用不動産を購入するため、約75万ドル(約1億9700万円)の住宅ローンを組む予定だった。貸し手の地方銀行は当初、現行金利を大幅に下回る約5%の金利を提示した。その後、銀行からその条件ではもう融資できないと告げられた。スミスさんはそれ以上の金額を支払うことをためらい、結局、現金で買えるもっと安い住宅を購入した。「高価格の物件は手が出なくなった」とスミスさんは話す。銀行は今、「ジャンボモーゲージ」と呼ばれる大型住宅ローンの提供にブレーキをかけている。そうしたローンは概して、富裕層客を引きつける低リスクの手段とみなされてきた。しかしこの1年、米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な利上げと相次ぐ銀行破綻を受けて融資意欲が減退している。裕福な住宅購入者はもはや、期待していた特別待遇や優遇金利を得られなくなっている。