カエル混入からの華麗なる復帰
食欲を揺さぶる「丸亀シェイクうどん」

カエル混入から華麗な復活!「よだれを禁じ得ない」丸亀シェイクうどん大ヒットの理由丸亀シェイクうどん

 まず紹介するのは、丸亀製麺の「丸亀シェイクうどん」である。5月中旬に発売されたこの商品だが、発売直後にカエルが混入している衝撃的なミスがあり、一部販売中止(自粛)となったが、8月2日時点で累計250万食、お持ち帰り商品の売り上げが昨年比で148%となるなど、瞬く間に人気商品となった。
 
 丸亀製麺のお持ち帰りメニューには、すでに人気の丸亀うどん弁当というものがあって、これは長方形の弁当然とした容器にうどんが入った、その名の通りうどんを弁当として食せる一品である。対するシェイクうどんは、カフェのテイクアウトでよく用いられるような透明のプラカップにうどんと具が詰められている。購入後は、カップごとシェイクすると味が混ざっていいあんばいに食すことができる。

 およそ“うどん”という食べ物の伝統にそぐわない斬新な提供のされ方であり、一歩間違えば見た目の危険さとお行儀の悪そうな気配から反感を集めながらポシャりそうな危うさもあった。

 しかし、企画の良さもあったろうしPRの仕方も良かったのであろうが、酷暑がヒットを後押しする一因になったことは間違いない。

 商品写真は、この暑さの中でそれを見たら購入を回避するのはほぼ不可能なのではないかというオーラを備えている。うだる暑さでゆで上がった体をキンキンに冷やし、汗で失われた塩分をうまみのあるダシとともに補給させてくれるのではないかというシェイクうどんが漂わせる予感は、食欲の中枢を直接揺さぶってくるのであった。

 何しろ、発売開始からの短い歴史の中でカエル混入というネガティブでかなり激しめなインパクトを残したにもかかわらず、消費者の食欲を刺激し、「まあ、そんなこともあるでしょう」と不問に思わせるくらいである。商品にカエルが混入することはなかなかないだろうが、その冷静な判断を停止させるほどの覇気を、今夏の酷暑でより鮮明に、シェイクうどんが備えているということである。

 筆者もさっきからこれを書くために商品画像を何度も見ているが、見る度によだれを禁じ得ず、この土日のどこかで丸亀製麺に肉薄して、シェイクうどんを入手することを決意している。