そろそろ夏休みも終盤となった。今年の夏はその終わりを悲しむよりも、むしろ酷暑を乗り切ったことでお互いをねぎらいたい気持ちの方が強い。暑すぎると人はやる気がそがれ、購買意欲も下がりがちとなる。そんな今夏、バズった商品の企業が取った戦略とは。(フリーライター 武藤弘樹)
異例の暑さの今夏
暑さでいら立ちスタバに八つ当たり
その肌に感じられる通り、今年の夏はすさまじき猛暑である。7月の全国平均気温は昨年に比べて2度弱高く、ここ100年で最高だったらしい。その勢いのまま突入している8月もまたおそろしい。
こうも暑いと、至るところで例年通りのようにはいかず、我が猫も愚かにも押し入れで昼寝して軽い熱中症になるなど、人間だけではない全生物がこの難局に翻弄(ほんろう)されている。
コーヒーチェーンのスターバックス(スタバ)からは、8月限定でスイカフレーバーのフラペチーノ(税込み・店内690円)が発売され、かなりおいしそうなのだが、これにチョコチップをトッピングするのがオススメと広く知られると、スタバに日頃世話になりつつ、スタバのオシャレ感にフィットしきれない人たち(筆者含む)が「じゃあ、もう、120円くらいのスイカバーでいいだろ!」と怒り狂っていて、これもおおむね暑さのせいである。
異例の酷暑は、企業にとっても正念場である。商品やサービスは従来通りに売れる見込みを失うが、反対にこれをチャンスと捉えて新たな戦略とともに戦う企業もある。今回は企業の努力が伝わってきて、かつ面白い事例をいくつか紹介したい。