韓国で長く読まれている勉強の本がある。日雇い労働をしながら4浪の末、ソウル大学に首席で合格した『勉強が一番、簡単でした』(70万部)。韓国では「受験の神」と称され、勉強に携わるもので、その名を知らない人はいない。日雇い労働者からソウル大学首席合格者になるまで、人生の大逆転を成し遂げた、韓国で知らない人はいない奇跡の物語。読後、モチベーションが高まり、勉強したくなる自分に驚くはず。超ロングセラー本『勉強が一番、簡単でした』から、その驚くべき内容を紹介する。
成績よりも勉強自体の面白さに燃える
忘れもしない3月29日、最初の模擬テストを受けた。当時の共通テストは、体力テストの点数20点を含め340点満点だった。
テストの後、1問ずつ自己採点していた私は、胸がドキリと鳴り、顔が上気するのを感じた。続けてにんまりと満足の笑みを浮かべた。200点! 体力テストの点数も足せば、レベルの低い4年制大学なら合格できる成績だ。
予備校に入学したときのクラス分けテストでは解ける問題がなくて、ただ寝ていただけだった。なのに、それから1カ月ちょっとでこんな成績が取れたのだから、これは尋常ではない。まともにテストを受けたこともなかったが、高校のときは夢にも見たことのない点数だった。
私はその日、道行く人を片っ端から捕まえて、「私は模擬テストで200点取りました!」と自慢したいほどの興奮を覚えた。当日の日記で、私はこう書いた。
とてもいい点数が取れて、これまでの懐疑と不安から抜け出せそうだ。
もちろん、まだ心から満足できる結果ではないが、今後の受験生活にかなり役立ちそうだ。
自信と確信という大切な精神的土台を与えてくれたと言える。
今日の1日のおかげで、過去の1カ月の生活が決して無駄ではない、価値あるものだとわかった。
これからもじっくりと、ひとつずつ、今日を上回る結果が得られるよう努力していこう。
勉強すればするほど、成績も着実に上がっていった。5月の模擬テストは250点を超えた。延世大と高麗大を目標にしていた私は、いっそう勉強にのめり込んだ。だが、奇妙にも6、7月になると、前より頑張っているのに成績はピタッと足を止めて、上がらなくなってしまった。
「今月は頑張ったから成績も上がるに違いない」と思ってテストを受けたのに、前回と点数は変わらなかった。前回のテストで失敗した数学でいい点数を取ったかと思うと、国語では点数が下がり、全体の点数は上がらない。そんなもどかしい結果が数回続いた。だが、当時の私は、成績よりも勉強自体の面白さに燃えていた。
「一流私大に行けないといって、それが何だ。勉強がこれほど面白いのだから。もう少しレベルの低い大学に行っても、こんなふうに勉強を続けたらいい」
こんなふうに自分を慰めた。
(本原稿は70万部のベストセラー『勉強が一番、簡単でした 読んだら誰でも勉強したくなる勉強法』から一部抜粋したものです)