今、世界的に注目を集めているのがエピクテトスという奴隷出身の哲学者だ。生きづらさが増す現代において、彼が残した数々の言葉が「心がラクになる」「人生の助けになる」と支持を集めている。そのエピクテトスの残した言葉をマンガとともにわかりやすく紹介した『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』が日本でも話題だ。今回は、本書の中から、「自分自身にそう思われるだけでよい。それで十分である」というエピクテトスの言葉をマンガとともに紹介する。(マンガ©かおり&ゆかり)

「他人の評判に振り回される人」になってはいけない

エピクテトス、ニウス、ゼニムス。登場人物の紹介。
おいみんな饗宴の残りのワインが手に入ったぞ。飲もうぜ。ニウスお前も早く来いよ。ニウスよ、昨晩は騒がしくしておったな。はい。なんじゃ疲れておるのう。はい、本当は早く寝たかったのですが。
そんなの断れませんよ。付き合いの悪い奴って思われてしまうし、みんなに嫌われたくないし。なんじゃ、君はみんなに好かれたいからいやいや参加したのか? ニウスよ、なぜ君は自分自身に蓋をしてまで他人の意思にばかり目がいくのじゃ。
ニウスよ。君の前に2つの道があったとしよう。君はそれらを同時に歩むことはできるかね? いえ、できません。

今、君の前には2つの道がある。1つは自分の意思、もうひとつは他人の意思。君はどちらをえらぶのだろうか。

(本原稿は、『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』からの抜粋です)