仕事を行う上で「即断即決」、速く決断すること、スピードがあることは良いことだといわれている。しかし、本当にそうだろうか?実は、思考が「速い」ことには意外な欠点がある。(キャスター取締役 石倉秀明)
「思考スピードが速い=優秀」は
大きな間違いだ
読者のみなさんは「ファスト&スロー」という本をご存じだろうか。ノーベル賞学者であるダニエル・カーネマンが、私たち人間の脳のメカニズムについて記載している本である。この本には「速い思考」と「遅い思考」という考え方が出てきて、前者をシステム1、後者をシステム2と表現している。
カーネマンによると、私たちは何かを考える際にほとんどシステム1(速い思考)を使っており、システム2(遅い思考)は意識しないと使わないという。つまり速い思考を使って何かしら考えているということなので、一見良さそうな印象だ。仕事をしている上で、速く決断すること、スピードがあることは良いことだといわれているからだ。
ただし、システム1(速い思考)には欠点があるという。なぜだろうか?