24年米大統領・議会議員選挙
前哨戦のもう一つの見どころ
2024年11月の米大統領選・連邦議会議員選挙に向けて候補者指名争いが始まった。
8月23日には、共和党の大統領候補たちによる第1回のテレビ討論会が行われた。予備選スタートの号砲だ。トランプ前大統領は欠席したが、残りの候補者が生き残りをかけて舌戦を繰り広げた。
予備選は、両党がそれぞれの代表候補者を党員投票などで選ぶものだが、大統領選では8月までに民主党はバイデン大統領や弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏らが立候補を表明、一方で共和党はトランプ前大統領やペンス前副大統領、デサンティス・フロリダ州知事ら9人が名乗りを上げている。
米国でも日本でもトランプ前大統領の動向に関心が高いため大統領選挙の予備選に注目が集まるが、議会議員選挙の予備選でも熱い戦いが繰り広げられる。
とりわけ各州で上下院議員の代表候補者選びの舞台となる議会議員の予備選は米国の草の根民主主義の原動力にもなっている。米国でも現職議員の再選率が高いが、時に新たな人材が知名度や資金力の勝るベテラン議員を打ち負かして政界に新風を吹き込むからだ。
最近では民主党左派のホープとなったオカシオ・コルテス下院議員がその象徴だ。
この予備選というシステムは日本でも少しずつ広がりを見せ始めているが、沈滞する日本の政治の風景を変える一助になるのではないか。
「AOC」登場の舞台となった予備選
草の根選挙で大物現職破る番狂わせ
「AOC」と呼ばれ、いまやサンダース上院議員と並んで民主党リベラル派を代表する政治家となったオカシオ・コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)下院議員が、政界進出の風穴を開ける舞台になったのも、18年中間選挙のニューヨーク州(第14選挙区)の民主党立候補者を決める予備選挙だ。