3度目のラグビー日本代表に
選ばれた松島幸太朗
横浜市青葉区の郊外に広大な校地が広がる。1学年が700人を上回る大規模私立高校だ。スポーツで有力選手や指導者を多数、輩出する一方、個性的な文化人も巣立っている。
ラグビー部が強い。毎年の年末から正月にかけて行われる全国高校ラグビーフットボール選手権大会(大阪府東大阪市・花園ラグビー場)には、20回出場し、2010、19、20年度の大会で全国優勝している。
東京サントリーサンゴリアスに所属する松島幸太朗は、10年度大会での桐蔭高校優勝メンバーだ。この大会の準決勝で決めた100mの独走トライは、全国のラグビーファンに「松島」の名前を知らしめ、高校ラグビー史に残る「伝説」にもなった。
15、19年のW杯日本代表に選ばれ、一大旋風を巻き起こしたメンバーの一人だった。19年のW杯では開幕戦(ロシア戦)でハットトリックを達成した。W杯で日本代表選手がこれを達成したのは、初めてだった。
この9月8日に開幕するW杯フランス大会でも、松島は3度目の日本代表メンバーに選ばれ、活躍が期待されている。
1993年2月生まれで、父はジンバブエ人、母は日本人。5歳の時に日本国籍を取得し、6歳の時に来日した。高校卒後には、南アフリカに渡り現地アカデミーに2年間在籍していた。
桐蔭学園高校卒で大学ラグビー部を経てサントリーなどで活躍した選手は、松島のほかにも十数人いる。
日本代表になった選手では、四宮洋平、後藤翔太らがOBだ。
サッカー部は、日本代表やJリーグで活躍する選手・指導者を多数、育ててきた。
元職も含め、長谷部茂利(アビスパ福岡監督)、森岡隆三(日韓W杯代表キャプテン)、広長優志(アトランタ五輪代表)、戸田和幸(日韓W杯代表)、栗原圭介(福島ユナイテッドFC監督)、渡辺晋(ベガルタ仙台監督)らがいる。
柔道部では、世界柔道選手権や世界ジュニアで活躍した選手が、男女ともたくさんいる。
秋本啓之(73kg級金メダル・10年世界柔道選手権)、高松正裕(81kg級銅・10年世界柔道選手権)、小野卓志(81kg級銅・05年世界柔道選手権、90kg級銅・11年世界柔道選手権)らが卒業生だ。
高松は桐蔭学園高校柔道部監督として、団体戦の高校3冠(全国高校選手権、金鷲旗、インターハイ)を達成した。
江口凜は57kg級の女子柔道選手(コマツ所属)で、22年8月の世界ジュニア選手権で、3位になった。
「令和の三四郎」と呼ばれる村尾三四郎は22年12月にイスラエルで行われたマスターズ大会に優勝(90㎏級)した。桐蔭学園高校―東海大卒で、23年4月にはジャパンエレベーターサービスホールディングスに入社した。23年5月の世界柔道選手権(カタール・ドーハ)では、3位だった。全日本柔道連盟は23年8月、24年夏のパリ五輪日本代表に村尾ら6人を内定し、発表した。