イングランド銀行(資産買い入れ基金)への
政府による赤字補塡の累積見込み額

日銀の財務の大幅悪化を懸念、出口のシミュレーションと国庫納付金の見込みを開示せよイングランド銀行(資産買い入れ基金)への政府による赤字補塡の累積見込み額 *赤字補塡累積額から資産買入期の納付累積額を差し引いた純額。政策金利の市場見通しに基づく予測値で、予測期間は2033年まで。今年(7月まで)の平均レートで円換算 出所:Bank of England“Asset Purchase Facility Quarterly Report 2023 Q2”

 海外の主要中央銀行は、高インフレを鎮めるべく急速な利上げを行ってきた。その結果、中央銀行預金への利払いと資産の評価損による財務の悪化が顕著で、金融政策運営や信認などへの悪影響が懸念される。

 もっとも、中央銀行は債務超過になっても、将来の通貨発行益の利用や政府からの損失補塡があれば金融政策運営で財務への影響を気にする必要はないとの見方もある。実際、赤字対応としてFRBは将来の収益を前借りし、イングランド銀行は政府から損失補塡されている。

 とはいえ、財務の悪化は無視できないだろう。インフレを一時的だと誤り、引き締めが遅れた故の急速な利上げが背後にあるからだ。