スパイだって健康でいたい。しかし、極秘データを扱う機密情報隔離施設(SCIF)内で働き、インターネットに接続された外界から遮断されている場合、運動の測定は厄介だ。フィットビットもアップルウオッチもスマートフォンのアプリも使えない。そこで米中央情報局(CIA)はこの問題をレトロな方法で解決した。昔ながらのアナログの歩数計だ。毎年6月、広大なCIA本部ビルの普段は静かな通路がちょっと騒がしくなる。情報分析官やテクノロジーの専門家らが、毎年恒例の「歩数計チャレンジ」で競い合うためだ。これは最も排他的なスポーツイベントの一つであり、参加者は挑発的だ。「あおり文句」が飛び交っている、とレースの運営に関わっているグレッグは話す(CIAのルールに従い、関係者はファーストネームしか明かさなかった)。参加者は腰に歩数計を着け、何十万歩も歩く。