米国の商業用不動産にとって「痛み」は終わったのか、まだなのか。その答えは、株の場合はイエスかもしれないが、実物資産の場合はノーかもしれない。調査会社プレキンのドライパウダー(待機資金)データによると、米商業用不動産への投資に回る予定のキャッシュは過去最高の2055億ドル(約30兆円)に積み上がっている。だが望ましい投資先はあと6~12カ月は出てこない可能性がある。以下に投資家が「買い時」のサインを見逃さないためのポイントを挙げる。不動産調査会社グリーン・ストリートによると、米商業用不動産の価格は2022年3月にピークをつけた後、平均で16%下落している。2008年の金融危機の際、信用不安の影響があらゆる不動産価格に及んだのとは異なり、目下の低迷は一部の不動産に、他の不動産よりずっと大きな打撃を与えている。