経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
かなりの金額を海外投資する富裕層
【前回】からの続き 「令和2年分の国外財産調書の提出状況について」を見ると、合計で4兆1465億円の海外財産が報告されています。
ちなみに、この半分以上が有価証券です。この年の国外財産調書の提出件数が1万1331件なので、単純に平均すると1件あたり3億7000万円ほどとなります。
この情報だけを見ても、日本の富裕層がかなりの金額を海外投資にまわしていることが見てとれます。
日本以外に投資してリスク分散
日本は長らく経済成長が停滞しており、少子高齢化が続くことが予想されますから、今後も高い成長を期待しにくい状況にあります。
そんな日本にだけ投資をしていたら、財産が減っていくリスクがあるため、成長の見込まれる海外に投資をすることが、富裕層に限らず、今後はますます志向されていくはずです。
ドルベースの投資先を確保
私が積立投資をしているのは、おもに米国株の指数に連動するインデックスファンドで、日本の銘柄は選んでいません。
なぜそうしているかというと、自分が仕事で得る収入が日本円に依存していることから、通貨価値のリスク分散のために、世界の基軸通貨であるドルベースの米国株に投資するのが合理的と考えたからです。
先ほども述べたように、日本は急速に少子高齢化が進んでおり、これからは経済的に高い成長を期待できない状況にもありますから、先進国でありながら人口増加が続いているアメリカの株式を中心に投資をしています。
海外に投資して日本に貢献
こういう話をすると、「日本人なのだから、日本に投資をして応援すべきだろう」と思う人もいるかもしれません。私が取材した資産運用のプロたちも、そのような意見をいわれることがあるそうです。
これに対して資産運用のプロたちは、「海外に投資をして利益を得て、納税や消費によって日本経済に貢献すればいい」と答えるそうです。私もその考えに賛成です。
海外投資を前向きに検討
海外投資というと難しいイメージをもたれるかもしれませんが、とても簡単です。
日本のネット証券などを通じて、海外の株式や投資信託などに手軽に投資ができる時代ですから、これを活用しない手はありません。
日本経済の先行きに少しでも不安を感じる人は、ぜひ海外投資について前向きに検討するべきだと思います。
外貨預金からはじめてもいい
いきなり海外の株式などに投資するのが不安であれば、まずは外貨預金をはじめるだけでも十分です。
これだけでも、海外の経済に興味をもつきっかけになり、海外投資にチャレンジしやすくなります
【次回に続く】
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。