米国の富裕層の間では、米国以外の海外資産を組み入れるグローバル投資の動きが、以前にも増して加速しているという。日本と海外の投資・経済を知り尽くした金融マン待望の初著書『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)では、富裕層がやっているイギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スイス・インド・チリ・台湾などへの国際分散投資法を、一般の個人投資家に向けてわかりやすく解説! 投資バランスは「保守:積極:超積極=5:3:2」、1銘柄の投資額は資産全体の4%以内で、資産全体の2割は現金買付余力に――など、「これならできそう」「続けられそう」と思えるグローバル投資の秘訣を明かした1冊だ。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、グローバル投資の極意を伝授する。
トレーリングストップとDRIP
【前回】からの続き 次に紹介する投資手法の高度化は、「トレーリングストップ」と「DRIP」です。
初めて聞く人も多いでしょうから、わかりやすく解説してみましょう。
トレーリングストップとは、株価が上昇するにつれて、「逆指値」の価格を自動的に引き上げ、損失確定の価格水準を高くするもの。
つまり、リスクを抑えながら、株の売りどきを逃さないための手法といえます。
株が下がり始める段階で
一度利益確定する手法
トレーリングには「追いかける」という意味があります。株価の上昇トレンドを、利益確定の条件が「追いかけ」ながら、リスクを抑えた利益の拡大を狙うのです。
たとえば、「100ドルの銘柄が75ドルに下がったら売る」という逆指値の注文をしていたら、株価が上昇に転じて150ドルや200ドルになったら売れないので、キャピタルゲインを得るチャンスを逃してしまいます。
そこで株価がある程度まで上がったら、そこから株価が下がり始める段階で一度利益確定して、利益を確保しようというのがトレーリングストップの考え方です。
株価下落に備えて
逆指値の注文をする
一度上がった株価が25%下落したら売却するトレーリングストップの逆指値の注文をするとします。
証券会社によって、自動設定機能がある場合とない場合がありますが、利用する証券口座に設定する機能が備わっていなくとも、その概念を用いて定期的に自分で逆指値注文の値を変更すればいいだけです。
100ドルの銘柄が200ドルまで上がったら、マイナス25%は150ドル。200ドルで売れなかったとしても、トレーリングストップによって150ドルの時点で利益確定できたら、50ドルのキャピタルゲインが得られます。
株価の天井は
誰にも見極められない
200ドルの時点で利益確定するのがベストですが、株価の天井を見極めることは誰にもできません。
200ドルから150ドルまで下落して、成長トレンドが終わったところで利益確定ができるのですから、投資としてはまずまず成功といえるのです。【次回へ続く】
※本稿は、『個人投資家もマネできる 世界の富裕層がお金を増やしている方法』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。