半島マレーシアの南端に、数万人に高級コンドミニアムを提供する目的で建設された海を臨む高層ビル群がある。中国不動産大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)が建設を開始してから10年近くがたつが、中身はほぼ空っぽだ。この高層ビル群に熱い視線を送る人々がいる。碧桂園の国際債権者だ。「フォレストシティー」と呼ばれる1000億ドル(約14兆7800億円)の開発プロジェクトは、碧桂園が国外で自社をアピールする見栄えのいい展示品になるはずだった。しかし同社に債務問題の兆候が表れると、債権者の標的になった。フォレストシティーは碧桂園が中国国外で所有する最も価値のある資産だ。ニューヨークの法律事務所コーバー・アンド・キムのパートナー、ジョン・ハン氏によると、碧桂園が最終的に債務不履行(デフォルト)に陥った場合、この未完成の巨大プロジェクトは債権者が推定15億ドルを回収する上で役立つ可能性がある。
中国・碧桂園の15兆円未完事業、債権者が熱視線
中国不動産大手の碧桂園がマレーシアで進める巨大開発プロジェクトは、建設開始から約10年がたった今、「ゴーストシティー」と見なされている
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