眠りたいのに眠れない、ストレスがたまりがちな人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』(大嶋信頼著)だ。著者は著書累計55万部を突破している人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏。最新作の本書では、心理学的なアプローチによって、読むだけで眠くなるメソッドや眠りをうまく活用する方法を紹介。「よく寝られて健康にいい本」「ものすごい安心感に包まれた」「睡眠の意味づけが変わる1冊」といった感想が寄せられている。今回は本書の発売を記念して、睡眠クリニック「RESM新横浜」で副院長を務める、精神科医で禅僧の川野泰周氏に、「眠り」の重要性や本書の活用法などについて聞いてみた。(取材・構成/林えり、文/照宮遼子)

【精神科医が教える】責任感が強すぎて眠れない!? ストレスをためやすい人の共通点とはPhoto: Adobe Stock

オンとオフの切り替えがうまくできない…

──『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』では、責任感を強く感じている人ほど眠れないと書かれています。川野先生の睡眠クリニックにこられる患者さんも責任感が強い方は多いのでしょうか?

川野泰周(以下、川野):そうですね。私も日々の診療の中でそう感じることが多いように思います。責任感の強い人の中には、仕事とプライベートの切り替えが得意ではない方が少なくありません。

仕事のことをずっと考えて眠れないというのは、プライベートにまで仕事のタスクが入り込んできている状態です。仕事はもうとっくに終わっているのに、オンタイムとオフタイムの時間が区別できなくなっているんですね。

──最近ではリモートワークで働く方も増えてきて、オンとオフの切り替えができない人も多いようです。

川野:そうですね。それはリモートワークの普及による、無視できない功罪と言えるでしょう。

家の中で仕事とプライベートを切り離す、それはリモートワークをしているすべての方に必要なことなのではないかと感じています。

仕事とプライベートの「スペース」を分ける

──具体的にはどうやって仕事とプライベートを区切ればいいでしょうか?

川野:たとえば、6時までと決めたら、6時を過ぎたらできるかぎり仕事のパソコンは開かないようにしましょう。

家の中で働くスペースを決めて、パーテーションなどでワーキングスペースを区切るのもおすすめです。

そうすれば、ワンルームで一人暮らしされている方も、自宅内オフィスとして切り替えることが可能です。

──たとえば、パソコンをしまうことも効果はありますか?

川野:もちろんです。でも、パソコンをしまう作業は、アダプターを抜いたり、充電したりするなど意外と一手間かかるので、気づくと手の届くところにパソコンを置くようになってしまうかもしれません。

理想的には、やはり仕事のスペースを分けたほうがいいと思います。